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夢にっきその3。今回はけっこう前のものと思われる。
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昼下がりを持て余し、眠くなり、一番距離の近しかったソファに転がり、そうして急に哀しくなった。特に訳もないはずだ。自分の身体の重みによって、たぶん合成皮革のソファが「ぎゅう」と言うころ、沈み込んだ身体の中では変なスイッチが入り下向きにしか思考が働かなくなっていたのだった。おかげでどんどん哀しくなり、何かの予言のような不穏だ。もう行かなきゃなぁと言い、導かれるように外に出た。
学校のクリーム色の壁は夕日に染まってきれいだ。空を見上げるとほんとうにきれいで、まだらの雲が、もうよく見えないくらい遠くまで続いて、果てなさに飲まれて泣きそうになった。
ちいさい頃あの場所に行ったっけなと胸が震えて(あの場所ってどの場所?)それで地面に寝転んでみた。コンクリートがじんわりとぬくい。胸がしめつけられながらしばらく見上げた。ピンクの空に黒いものがひゅっと飛んだ。かと思うと、凄まじい爆発音がした。黒いものはおおきくなっている。こっちに近づいているんだと解ってからは、直感がよけないといけないと言いつづけた。起き上がってかろうじて数歩あるいた。どうしてか足がふらつく。もどかしい。腰が抜けているのか。パニックを起こしているからか。直後に、鼓膜が破れそうな音だ。背中のすぐそばに黒い破片が激突した音だ。おおきい、背くらいある、まっくろけっけな破片だ。コンクリートが割れて地面に刺さっている。間を空けずまた破壊音。脳が叫んでいて、ああっ人が、人がっという音がする。血や悲鳴。顔になにか散る。非常になまぬるい。息が荒い。もうすこしでああなったと、逃げろ逃げろと言いながら冷静は消えていき、体中の神経が警告している音はつまさきから突き上げるように響いている。逃げなければならない。
走る走る。飛行船はやっぱり飛べなかったがそもそも戦争を知らないので、その名前の記号のようなものも聞いた事あるようなったったやら、いまとなってはなんだったやら、らったった。失敗したので燃やした燃やした。エコーが耳に響いて脳のなにやらもだめになる。わーと叫びながら大通りを、坂道を、トンネルを、路地を駆け抜ける脚が車輪みたいにとまらなくなりどこまでも行きそうだと思った。
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