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青江美乃里
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どこか遠くの
ずっと向こうの
遥かに高い方で

見たことあるような
匂ったことあるような
感じたことあるようなことが

ふとしたときに
立ち止まるときに
歩いていくときにふと
思い出されては、記憶の奥が
たまらなく 切なく感じられるのです

そしてそれがたいへん大事な
尊いもののように思えるので
どうもしてやれないことに
涙がこぼれそうです


小さいときどこかで見た
何だったっけ
そもそも現実だっけ
夢の中だったのかも
今ではもう

近寄ると消える輪郭は
二度とはもう


「バイバイ 名もわからないこどもたち
 君らをどんどん忘れていく
 知らないうちにそこにいて
 知らないうちにどこかにいってしまうのを
 追わないでただ見ているよ」

「今日もまた雨が降って
 しめった匂いで切なくなったよ
 このことを この感覚を
 憶えていたいよ
 できれば会って話をしたい
 正体を知りたいよ」

 だけど私もまた迷子で
 自分のことも確かには思い出せない
 だから君らを探すことはできない

「こどもたちは雨に流れたよ
 心はすこしからっぽになって
 またバイバイをします」

あとにはやはり
切ないことだけが残り
またすべて渦にまかれて消えてゆくのです

そしてまた日々を過ごしていくのです
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リボンが解けて
クルクル回りながら落ちていく。


戻れない方へ進んでいる

すべすべしてにぎりやすい
who
sad


途方も無い

遠くで二人目のIが同調して泣いている


どこだ、ここは。
ずいぶん前のことのような気がするが。
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